1. 導入:行政法の「ラスボス」級の難問に挑む
「先行行為? 後行行為? 不可争力?……もう、何が言いたいのか分からない」
行政書士試験の勉強をしていて、「違法性の承継」の判例を読んで頭を抱えたことはありませんか?
特に平成20年9月10日の最高裁判決(土地区画整理事業計画決定の取消訴訟)は、ロジックが複雑で、テキストの文字だけ追っていてもイメージが湧きにくいですよね。
そこで今回は、画像生成AI「nanobanana pro」を使って、この判例の構造を「1枚のインフォグラフィック」にしてみました。
結論から言うと、「本来は開かないはずの『不可争力の扉』を、最高裁がどうやってこじ開けたか」というドラマが見えてきます。
👀 目が疲れている方へ:この記事の要約ラジオ(AI音声)を用意しました。再生ボタンを押して、目を閉じて聞いてください。
2. 【画像で見る】これが違法性の承継の全体像だ
まずは、AIに生成させた図解をご覧ください。
この1枚に、判決の重要ポイントが全て詰まっています。

※『不可争力の壁』をどう乗り越えるかがポイントです
【図解のポイント】
- 左側(Before): 「不可争力の壁」があり、時間が経つと前の処分(先行行為)は争えなくなるのが原則。
- 右側(After): しかし今回の判例では、例外的に「3つの架け橋(要件)」によって、その壁を乗り越えて違法性を主張することが認められました。
3. 判例解説:なぜ「例外」が認められたのか?(最大判平20.9.10)
この図解の元になった事件(平成20年の判例)について、少し詳しく解説します。
事件の概要
ある地域で「都市計画決定(先行行為)」がなされ、その後に具体的な「事業計画決定(後行行為)」がなされました。
住民は、後になって「自分の土地が削られる!」と気づき、後の処分(事業計画)を訴えましたが、その理由は「そもそも最初の都市計画がおかしい(違法だ)」というものでした。
行政側はこう反論しました。
「都市計画の決定からもう時間が経ってますよね? 今さら前のことを蒸し返さないでください(不可争力)」
従来のルール(原則)
通常、先行行為と後行行為が「別々の目的」を持っている場合、違法性は承継されません。つまり、前の処分の文句は、後の処分の裁判では言えないのが鉄則です。
最高裁が下した画期的な判断
しかし、最高裁は今回、「違法性の承継を認める(前の処分の文句を言ってもいい)」と判断しました。
図解の中にある「3つの架け橋」がその理由です。
- 目的の同一性・一連性(鎖のアイコン):都市計画と事業計画は、別々の処分だけど、実質的には「土地整理」という一つの目的に向かって連続して行われるものだよね。
- 手続的保障の欠如(メガホンのアイコン):最初の「都市計画」の段階では、個々の住民に「あなたの土地がこうなりますよ」という通知がなかったよね。これじゃ文句を言いようがない。
- 争うことの困難性(的のアイコン):具体的に土地が削られる「事業計画」が出て初めて、住民は「権利が侵害された!」とリアルに分かる。最初の段階で訴えろというのは 無理ゲー(非現実的)だよね。
だから今回は特例として、「後の処分で、前の処分の違法性を訴えてもOK」としたのです。
4. この図解を作った「プロンプト」を公開
この分かりやすい図解は、以下の指示(プロンプト)で生成しました。
もし自分でも他の判例を図解してみたい方は、コピペして【 】内を変更して使ってみてください。
📋 生成プロンプト
【違法性の承継が認められた判例(最大判 平20.9.10)】を分かりやすくインフォグラフィックにしてください
Geminiで画像を選んで「インフォグラフィックにして」と頼むと、複雑な法律論もこうして「壁」や「架け橋」といった視覚的なイメージに変換してくれます。これも新しい勉強法の一つですね。
5. 試験対策まとめ:ここだけ覚えよう
行政書士試験でこの判例が出たら、以下のキーワードを思い出してください。
- 原則: 違法性は承継されない。
- 例外(この判例): 「先行行為の段階で、関係人に十分な手続的保障(通知など)が与えられていなかった」 場合には、承継が認められる。
- キーワード: 「手続的保障がない」「争う機会が実質的になかった」
◆ 記述対策(超要点)
先行処分が不可争力を有しても、一体的行政過程にあり、当時争うことが困難な場合には、後行処分において先行処分の違法を主張できる。
この画像(壁を乗り越える矢印)を脳裏に焼き付けておけば、試験本番で迷うことはなくなります!
【超重要】試験で狙われる「ひっかけ整理」
ひっかけ①
❌「本判例は違法性の承継を認めた」
👉 アウト
⭕ 正解表現:
- 「後行処分において先行処分の違法を主張することを例外的に許容」
ひっかけ②
❌「手続保障が欠けていれば常にOK」
👉 甘い
- 単なる手続ミスでは足りない
- 争うことの現実的困難性が核心
ひっかけ③
❌「不可争力があっても、違法ならいつでも蒸し返せる」
👉 それができたら不可争力が泣きます
⭕ 本件は
- 一体的行政過程
- 具体的被害の後発性
という特殊事情の集合体
ひっかけ④(よく出る)
「後行処分が適法なら、先行処分の違法は問題にならない」
👉 ケース次第
- 原則:問題にならない
- 本判例型:問題になり得る
セットで覚えるべき関連判例
① 都市計画決定取消訴訟判例(処分性)
- 都市計画決定は
→ 原則:処分性否定 - 本判例は
→ 処分性否定の不都合を後行処分段階で救済
📌処分性論と不可争力論の交差点にあるのがこの事件。
② 最判昭和50年9月10日(建築確認)
- 建築確認の違法
- 後行の使用禁止処分で争えるか?
👉原則どおり承継否定
→ 本判例との差を説明できると一気に評価UP
③ 最判平成4年12月15日(農地転用)
- 段階的許可の違法性
👉一体性が弱く、
住民が先行段階で争えた
→ 承継否定
⑤ 頭に残る一言まとめ(試験直前用)
- ❌「違法性の承継OK事件」
- ⭕「争えなかった人を、後で救うための例外事件」
不可争力は
「時間が経ったら黙れ」
ではなく
「言えるチャンスは一度は与える」
それがこの判例の本質です。



コメント